Akira Ifukube [伊福部昭] (1914~2006, Japan)
伊福部昭: SF交響ファンタジー 第2番
Symphonic Fantasia No. 2
00:00 Theme from "Adventure at Kiganjoh" 「奇巌城の冒険」タイトル・テーマ
03:02 Ghidrah's theme from "Ghidrah" 「三大怪獣 地球最大の決戦」キングギドラのテーマ
04:36 Battle music from "King Kong vs Godzilla" 「キングコング対ゴジラ」格闘音楽
06:19 Sacred fountain from "Godzilla vs The Thing" 「モスラ対ゴジラ」聖なる泉
07:58 Theme from "Varan the Unbelievable" 「大怪獣バラン」タイトル・テーマ
09:51 Mountain scenery from "Ghidrah" 「三大怪獣 地球最大の決戦」山岳音楽
11:11 Escape music from "King Kong Escape" 「キングコングの逆襲」逃走音楽
11:52 Element X from "King Kong Escape" 「キングコングの逆襲」エレメントX
12:56 Army march from "The war of Gargantuas" 「サンダ対ガイラ」自衛隊マーチ
15:14 Flying music from "Rodan" 「空の大怪獣ラドン」飛行音楽
15:22 Army march from "The war of Gargantuas" 「サンダ対ガイラ」自衛隊マーチ
Japan Philharmonic Orchestra
Jun'ichi Hirokami, conducting
Recorded: August 22-24, 29-31 & September 1, 1995 at Session Suginami Hall, Tokyo
I think it is necessary to clearly state the meaning of the word fantasy in "Symphonic Fantasia." [japanese title is "SF Koukyou Fantajii (Sci-Fi Symphonic Fantasia)"]
When it comes to fantasy, a translation of "Gensou-kyoku" (fantastic song) is used in Japanese, so a romantic image may come first. However, here, as the composer myself, I do not intend to give such implications. In this case, fantasy means "informal music," "music which each motif does not develop," and "a mere medley." In short, musics used for Sci-Fi movies are simply listed in the manner of medley and edited for a symphonic orchestra - in that sense, it is "SF Koukyou Fantajii."
I had intended to compose these works only for a one-time film music concert, so I've tried not to put it in my list of compositions. But, due to everyone's request, these were played many times and this time it became a new recording in the studio session. I feel extremely embarrassed.
from Akira Ifukube "Talk about my work" in KICC-91196~211 "The Artistry of Akira Ifukube 20th anniversary box" booklet
Instrumentation: piccolo, 2 flutes, 2 oboes, english horn, 2 clarinets in B, bass clarinet in B, 2 bassoons, contrabassoon, 4 horns, 3 trumpets, 2 trombones, bass trombone, tuba, timpani, 4 percussionists (bass drum, 2 snare drums, suspended cymbal, 2 tom-toms, tam tam and conga), harp, piano and strings.
Premiered: Tokyo Symphony Orchestra conducted by Yasuhiko Shiozawa on August 5, 1983 at Hibiya Public Hall.
by Morihide Katayama from booklet mentioned above
『SF交響ファンタジー』のファンタジーという言葉の意味について、はっきり述べておく必要があろうかと思います。
ファンタジーというと、日本語では幻想曲なる訳語がはめられるので、どうしてもロマンティックなイメージが先行するかもしれません。しかし、ここでは、作曲者本人としては、そういう含意はないつもりです。この場合のファンタジーとは、「無形式な楽曲」、「各々の楽案が発展・展開していかない曲」、「単なる接続曲」くらいの意味で使っているのです。要するに、SF映画に使った音楽を、メドレーの要領で単に羅列し、それをシンフォニック・オーケストラが演奏できるよう編作した……、その意味での『SF交響ファンタジー』ということです。
この作品は、1回限りの映画音楽コンサートのためだけに編曲したつもりでした。作品リストにも入れないよう、心掛けてきたつもりです。けれども、皆さんのご要望もあり、演奏を重ねることとなり、この度は、スタジオ・セッションによる新録と相成りました。気恥ずかしい限りです。
(伊福部昭、「自作を語る」――KICC-91196~211『伊福部昭の芸術 20周年記念BOX』解説書より、一部省略)
〈編成〉
ピッコロ、フルート2、オーボエ2、コール・アングレ、変ロ管クラリネット2、変ロ管バス・クラリネット、ファゴット2、コントラファゴット、ホルン4、トランペット3、トロンボーン2、バス・トロンボーン、テューバ、ティンパニ、打楽器:奏者4人(大太鼓、小太鼓2、吊りシンバル、トムトム2、タムタム、コンガ)、ハープ、ピアノ、弦楽
〈初演〉
1983年8月5日、汐沢安彦指揮東京交響楽団。於日比谷公会堂。
第2番は8本の映画のための音楽から構成される。なお、括弧内のMナンバーは、編作の際に直接の素材となったと考えられる楽曲スコアの、もとの映画での音楽ナンバーを作曲者手元の資料にしたがって記したものである。
1.「奇巌城の冒険」タイトル・テーマ: Andantino。谷口千吉監督、三船敏郎、中丸忠雄主演の特撮スペクタクル 『奇巌城の冒険』(1966年)のタイトル・テーマ曲(M1)が、かなり変型されて用いられている。当初のプランでは、この箇所には『キングコングの逆襲』のタイトル曲、ないしは『キングコング対ゴジラ』の、キングコングの住むファロ島の描写曲が、用いられる予定だったらしい。とにかく、いずれも、打楽器のリズム・オスティナートの付く、エキゾティックでスロー・テンポの音楽だ。
2.「三大怪獣 地球最大の決戦」キングギドラのテーマ: Adagio grottesco。トロンボーンのグリッサンドが特徴的な、キングギドラのテーマ曲。ここでは、『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964年、本多猪四郎監督)の、キングギドラが東京を破壊する場面の音楽(M15)が用いられている。
3.「キングコング対ゴジラ」格闘音楽: Allegro vivace。『キングコング対ゴジラ』(1962年、本多猪四郎)での、コングとゴジラの格闘音楽である(M19、M20B)。
4.「モスラ対ゴジラ」聖なる泉: Molto lento。『モスラ対ゴジラ』(1964年、本多猪四郎)の挿入歌『聖なる泉』(作詞・作曲、伊福部昭、歌・ザ・ピーナッツ)の旋律がうたわれる。オリジナル・カラオケ譜に基づくアレンジ。
5.「大怪獣バラン」タイトル・テーマ: Andante grottesco~Allegro。『大怪獣バラン』(1958年、本多猪四郎)のタイトル・テーマ(M1)。原曲は、伊福部の作詞による、バラン賛頌のコーラス付。
6.「三大怪獣 地球最大の決戦」山岳音楽: Andante。『三大怪獣 地球最大の決戦』で、小泉博らが、隕石調査のため、黒部渓谷に入る場面に付された、ホルンの主導する山岳音楽(M4、M5)。
7.「キングコングの逆襲」逃走音楽: Andante grottesco。『キングコングの逆襲』(1967年、本多猪四郎)で、天本英世扮するドクター・フーに捕えられていたコングが、フーの基地から逃亡せんとする際の曲(M19)。
8.「キングコングの逆襲」エレメントX: Tempo di marcia。『キングコングの逆襲』で、天本英世がコングを操り、核物質エレメントXを鉱脈から掘り起こさせようとして失敗するシーン等に用いられた音楽(M17、M28)が、原曲よりもアップ・テンポに編作され、次なるマーチの先触れ役となる。
9.「サンダ対ガイラ」自衛隊マーチ: 『サンダ対ガイラ』(1966年、本多猪四郎)の自衛隊マーチが始まる。簡単なスケッチに基づき、新たにオーケストレーションされたようだ。
10.「空の大怪獣ラドン」飛行音楽: ここで僅か4小節だけ、『空の大怪獣ラドン』(1956年、本多猪四郎)で、自衛隊機がラドンを追跡する場面の音楽(M10)の結尾部が挿入される。
11.「サンダ対ガイラ」自衛隊マーチ: そして、すぐ、『サンダ対ガイラ』マーチに戻り、結ばれる。
(片山杜秀、同解説書より)